出前授業の目的~私の想い(業界新聞年頭所感)

遅ればせながら、今年の年頭に業界新聞に寄稿した私の想いをブログにも綴ってみました。
長い文章ですが、最後までお読みいただけましたら幸いです。

出前授業の目的

私が取り組んでいる『出前授業』について、人によっては私が古紙問屋だから商売の目的でやっていると思っている方がおられるらしいのですが、実はちょっと違います。
岡山で商売をやっている人間が県外へ出ていって、『紙はゴミじゃない!!』と叫んだところで、我が社にとっては1円の利益にもなりません。
それどころかかえって旅費や宿泊費がかかり、持ち出しになっているのが現状です。
また中には『今こんなに古紙が余っているのだから、紙はゴミじゃない!という講演をやるのはいかがなものか?』とおっしゃる方もおられるかもわかりませんが、ただ私はこの国のゴミを少しでも減らしたいということと、古紙の回収量を上げることで結果的に森林の保護につながって欲しいという想いから、もう20年以上全国を歩き回っていて、古紙の需給バランスによって出前授業をやったりやらなかったりするつもりもありません。

そしてその根底にある考え方は 『この国にはもう森林資源しか残らない』 という考え方です。
残念ながらわが国には原油、石炭などのエネルギー源はほとんどなく、かつ鉄鉱石やボーキサイトなどの地下資源もそのほとんどが輸入です。
そして2050年には世界の人口が95億人を超えると言われているわけですが、そうなった時日本は今と同じようにエネルギーや資源を潤沢に輸入できるのでしょうか?
また食糧にしても我が国は海外依存度が非常に高く、自給率は40%前後とのことですが、世界人口が95億人になった時今と同じようにお金を積めば食糧が潤沢に買えるのでしょうか?
私はかなり難しくなってくるのではないかと考えています。

安倍総理はそのために原発を再稼働させる気満々ですが、3.11の福島第一原発事故を思い起こす時、私は一日も早く再生可能エネルギーやバイオマス発電にシフトするべきだと思いますが、どうやらお国はそちらの方向ではないようですね。

「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!」 
スゥエーデンの16歳、グレタ・トゥーンベリさんが国連の気候行動サミットで放ったこの言葉を、わが国の政治家たちは何と思いながら聞いたのでしょうか?

いずれにしても私は、我が国で自給可能で枯渇しない資源となると、おそらくもう森林資源しかないと考えています。
だから少しでもゴミを減らしながら古紙の利用率を向上させ、結果的に地球上に残る森林資源を有効活用していくべきだと思っています。
2050年に私の孫たちは35歳前後になりますが、こんな国に生まれてこない方がよかったと言われないように、これからも地道な活動を続けていきたいと思います。



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